この衝撃的な論文を発表したのは、広東省広州市にある華南理工大学・生物科学与工程学院(School of biology and Biological Engineering)の肖波濤(Botao Xiao、シャオ・ボタオ)教授ら、生物学に通じる研究者。2020年2月6日、新型コロナウイルスの発生源について研究者向けサイト「ResearchGate」に投稿したのである。
この論文はその後、ほどなくして削除された。そして、肖教授らも消息を絶ってしまった。中国政府の情報操作や工作活動に通じる外事関係者が語る。
「論文には、遺伝子レベルで新しいウイルスが開発されていたことを示唆する記述などがあった。中国政府にとっては、とうてい看過できないものだ。場合によっては、国民の暴動などにつながりかねないし、国際的な非難も相当なものになるとみたからだ。論文の削除には中国政府がかかわっている可能性もある。肖教授らも、身柄を拘束されたとみられている」