友好の【コイ】、上皇さまが発案　６１年前の出会い、【誕生】の発端に
時事通信社

【上皇ご夫妻】が在位中、二の丸庭園の池に放流されたのと同じ種類のヒレナガニシキゴイ＝２０１８年１１月、皇居・東御苑
　【ジャカルタ時事】皇居・東御苑の二の丸庭園の池を優雅に泳ぐコイ。「ヒレナガニシキ【ゴイ】」と名付けられたその魚は、１７日から天皇、皇后両陛下が訪問されるインドネシアと日本の友好関係の象徴でもある。誕生の発端は、６１年前の上皇ご夫妻のインドネシア訪問までさかのぼる。

ムルデカ宮殿で日本からインドネシアに贈られたヒレナガニシキ【ゴイ】を、スハルト大統領夫妻と一緒に観賞される上皇ご夫妻＝１９９１年１０月、ジャカルタ（ＡＦＰ時事）
　上皇ご夫妻は、皇太子夫妻時代の１９６２年にインドネシアを訪れた際、日本にいないヒレナガゴイを観賞した。魚類学者でもある上皇さまはその後、日本のニシキゴイと交配させれば、ひれの長いニシキゴイが生まれるのではないかと考え、７７年に埼玉県水産試験場（当時）を視察した際に提案。同試験場がインドネシアからヒレナガゴイを取り寄せて交配に成功し、ヒレナガニシキゴイと名付けられた。